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いの町社協 通院・買い物に好意で寄り添う 公共交通空白地有償運送実施中

高知県いの町社協
【通院・買い物に好意で寄り添う 公共交通空白地有償運送実施中】


くねくねした山沿いの道に家がぽつぽつとある、いの町本川地区(旧本川村)。4月中旬の午前9時、地区にある診療所に、80歳の川村さんが車で送られてきました。川村さんは林業の後遺症で手の振動障害があるため、毎日診療所に通っています。自宅は診療所からわずか約700メートルですが、数年前から病気で歩行器なしには歩けません。

頼りにしているのが公共交通空白地有償運送です。公共交通空白地有償運送とは、バスやタクシーなどの公共交通が十分にない地域で、NPO法人や社会福祉協議会が地域住民に提供する運送サービスです。2006年、道路運送法が改正され、「過疎地有償運送」として制度が始まりました。地域の住民などが講習を受けて運転手になり、料金を得て客を運びます。2015年4月から現在の名称になりました。国土交通省によると、2016年3月末時点で全国で99団体が運行しています。

送り届けた山中さん(61)が運転するワゴン車には、「過疎地有償運送車両」のマグネットが運転席と助手席のドアに貼ってあります。有償運送制度が始まった当初の名称です。山中さんは診療所の受け付けも、川村さんの代わりに行いました。山中さんは配管工事や土木などに携わる合間に、車を走らせています。「はっきり言ってやめたい」と冗談交じりに苦笑いする山中さんの言葉から、ドライバーの負担がうかがえます。

本川地区はいの町中心部から約45キロ。片側1車線の国道194号を高知市から約1時間半走り続けるとたどり着く山間の集落です。地区の人口は約500人、高齢化率は約60%。町中心部や高知市へ通院するにも車は欠かせませんが、運転が困難な高齢者も少なくありません。
しかし、2005年、地区に唯一あった個人タクシーが廃業。バスは便数が少なく、住民の乗り合いでしのいでいましたが、少しでも負担を軽くするために、2011年からいの町社会福祉協議会が有償運送を始めました。

地区では住民約60人が利用客として年会費1千円を払って登録し、年間約130回運行されます。主に地区内の移動や、町外への通院に使われています。原則3日前までの予約が必要です。利用料金は6キロ未満は500円で、超えると1キロにつき100円加算。車を待たせると30分ごとに100円ずつ加算されます。本川の中でも行政区をまたぐと200円かかりますが、通院帰りに買い物につきあってくれると評判です。

町社協本川支所によると、携帯電話など初期投資を除くと、町の補助はありません。報酬は85%を運転者、残りの15%を社協。行政区をまたいで10キロ走って迎えに行っても、利用者の移動距離が6キロ未満だと、運転者の報酬は595円です。それで燃料費や車両の維持費をまかなうのは困難です。

山道の通行止めがあると、地区内の運送でも数時間かかることもあります。当日の予約が多いため、予約が入れば、ほかの仕事を中断して迎えに行っています。運転手の高齢化も進んでいます。現在、本川支所の職員2人のほか、74歳以下の住民20人が登録しています。そのうち16人が60歳以上です。本川支所では、10年後の先行きを案じています。(朝日新聞 2017年6月9日)

朝日新聞20170607 いの町
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なかなか一言で表せない社会福祉協議会(社協)。地域福祉活動の推進、生活困窮者支援、成年後見・日常生活自立支援事業、介護保険・障害サービス事業、ボランティア・市民活動の支援、福祉教育・ボランティア学習、共同募金・・・、さまざまな事業・活動を展開しています。少しずつ、その活動を探検してみましょう。

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