FC2ブログ

記事一覧

全社協 「劣悪宿泊所の悲劇なくせ」 『地域におけるセーフティネット機能の強化のために~「住まい」と「日常生活支援」の一体的提供による安心の実現を~」(提言)

全社協
【「劣悪宿泊所の悲劇なくせ」 『地域におけるセーフティネット機能の強化のために~「住まい」と「日常生活支援」の一体的提供による安心の実現を~」(提言)】


本当に困っている人に支援は届いているのか――。こうした問題意識から、全国社会福祉協議会は、地域のセーフティーネットの強化を求める報告書をまとめました。貧困ビジネスと呼ばれる宿泊施設への入所を余儀なくされる人が増え、火災による犠牲者も出る中、社会福祉法人が低所得高齢者らに対して、住まいと生活支援を一体的に提供する仕組みを提案。行政の公的責任もきちんと果たすよう求めています。平成という時代が終わろうとしている今、「本当に利用者主体の福祉制度が確立したのか」を問う異色とも言える内容となっています。

全社協政策委員会に設置されたセーフティネット対策等に関する検討会は、2018年4月から6回にわたり議論。宮本太郎・中央大教授を座長に、救護施設や養護老人ホーム、母子生活支援施設、無料低額宿泊所の経営者ら12人が委員を務めました。検討会の出発点は、基礎構造改革が掲げた「選択と契約」という理念が実現しておらず、本当に困っている人に支援が届いていないのではないか、という認識です。2018年、札幌市の共同住宅「そしあるハイム」で発生した火災では、入居していた生活保護受給者など11人が死亡。住宅にはスプリンクラーがありませんでした。同様の火災事件は、2009年に群馬県渋川市の無届け施設「たまゆら」以降も相次いでおり、2019年1月4日に横浜市の簡易宿泊所でも起きています。

報告書は、特に生活の基盤となる住まいの問題に着目。高齢の生活保護受給者を設備の不十分な宿泊所へあっせんするなど、福祉事務所のケースワークが十分に機能していない現実を指摘しました。この30年で養護老人ホームや救護施設の数も横ばいで、財政上の問題から行政が施設に入所させない「措置控え」も問題視しています。これを踏まえ現実的な支援策として、社会福祉法人などが全国800万戸を超える空き家を活用した住まいの提供に加え、見守りなどの生活支援を一体的に提供する「地域居住支援」の仕組みを提案。居宅生活と施設入所の中間的な位置付けで、増え続ける空き家対策にも役立つとしています。

ただ、そうした取り組みを進めるには社会福祉法人などの自己財源にも限界があります。そのため、公的責任として建物の購入費や賃料、火災通報装置など設備改修の費用を補助制度として創設するよう求めました。さらに報告書は、福祉事務所と社会福祉法人の連携強化にも言及しました。具体的には、救護施設などの職員の専門性を生かし、生活保護受給者へのアセスメントや支援計画の立案、自立支援プログラムの一部委託などによる福祉事務所の機能補完を挙げています。
(福祉新聞 2019年01月21日)

報告書の全文は、全社協ホームページよりダウンロードいただけます。

20190131全社協
関連記事
スポンサーサイト



プロフィール

yotadar!!

Author:yotadar!!
なかなか一言で表せない社会福祉協議会(社協)。地域福祉活動の推進、生活困窮者支援、成年後見・日常生活自立支援事業、介護保険・障害サービス事業、ボランティア・市民活動の支援、福祉教育・ボランティア学習、共同募金・・・、さまざまな事業・活動を展開しています。少しずつ、その活動を探検してみましょう。

最新コメント

リンク