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楠木新さんが、社協に呼びかける 【定年後の居場所】定年前のライフプラン研修活用を 女性中心の「地域活動」には簡単に溶け込めず…

楠木新さんが、社協に呼びかける 【定年後の居場所】定年前のライフプラン研修活用を 女性中心の「地域活動」には簡単に溶け込めず…

25万部を超えるベストセラーになった『定年後』の著者、楠木新さんが定年後の男性の居場所づくりについて、社協に向けて呼びかけていますのでご紹介します(原文は「である」調です)。

先日、社会福祉協議会で働く女性2人の訪問を受けました。彼女たちは、多くの人にさまざまな地域活動に参加してもらい、いきいきとした毎日を送ってもらうことを目的に活動しています。定年退職した元気な男性が地域にいることは分かっていますが、積極的に参加する人は少ないといいます。そして自分が高齢になって心身の調子が悪くなってから相談に来る人がいます。元気なうちから地域で活動していれば、人とのつながりの中でもっと充実した居場所を確保できたのに、と思う例も少なくないそうです。

私も2冊目の定年関係の本を書く時、地域での活動を取材するためにいろいろな場所を廻りました。男性定年退職者のみを対象にした農園運営、大都市近郊のニュータウンの中に男性だけが参加する井戸端会議の場づくり、ボランティア講師による無料学習塾運営など、いくつかの地域活動、ボランティアの例を取材してきました。いずれも素晴らしい活動でしたが、全体としてみれば定年後の男性が気軽に参加できる場はそれほど多くはないというのが実感です。

会社が催す定年前のライフプラン研修では、「退職すれば、皆さんの活動の場は地域になります」といったことがよく言われます。そういう言葉を真に受けてか、「退職すれば、地域でボランティアでもやるよ」と安易に発言する人もいます。私も地域活動のことを熟知しているわけではないので偉そうなことは言えませんが、そういう話を聞くと、定年後のことを頭でしかとらえていないと思わずにはいられません。

当然のことですが、地域には会社員とその家族だけが住んでいるわけではありません。商売人も職人も経営者もいます。いわゆる遊び人やアウトローの人たちも住んでいるかもしれません。年齢層も子どもから高齢者まで幅広く、いろいろな人たちの利害が直接衝突することがないとはいえません。

また地域には、昔ながらの人間関係が存在していて、会社での論理や常識では通じない可能性もあります。会社中心で働いてきた男性会社員は女性中心の地域活動に簡単に溶け込めないという話を聞くこともあります。

彼女たちといろいろ話しているうちに分かったことがあります。定年退職者側は、地域で活動する必要性や意味合いが大きいことは知っています。一方、地域活動を運営する側も、定年退職者が活動することの大切さを理解しています。地域活動に新たな人を呼び込みたい意欲もあります。お互いに需要があるのに、隔たりが大きくてうまくマッチングできていません。一番の問題は、お互いに相手のことを知る機会がないことです。

そこで提案です。社会福祉協議会のメンバーが企業のライフプラン研修に直接出向いて、地域活動のメニューや内容を説明したり、いきいき活動している元サラリーマンが話をする機会を持つことから始めてはどうでしょうか。前出の女性たちに聞くと、地元には企業の工場や事務所は少なくないそうです。会社だけでなく労働組合と連携する手もあるでしょう。

■楠木新(くすのき・あらた) 1979年、京都大学法学部卒業後、生命保険会社に入社。50歳から勤務と並行して取材、執筆に取り組む。2015年3月、定年退職。現在、神戸松蔭女子学院大学教授。人事・キャリアコンサルタント。25万部を超えるベストセラーになった『定年後』(中公新書)など著書多数。18年5月に『定年準備』(中公新書)を出版。
zakzak 2019年2月5日

20190216楠木新
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なかなか一言で表せない社会福祉協議会(社協)。地域福祉活動の推進、生活困窮者支援、成年後見・日常生活自立支援事業、介護保険・障害サービス事業、ボランティア・市民活動の支援、福祉教育・ボランティア学習、共同募金・・・、さまざまな事業・活動を展開しています。少しずつ、その活動を探検してみましょう。

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